嗚呼、銭函市場

嗚呼、銭函市場|Copyright (C) Kazuo Yamamoto

かつては銭函の台所だった。
もっと昔は映画館だった。
食品のほとんどを扱い、
あっちこっちで世間話。
駐車場なんか無くたって、
みんなほとんど毎日来てた。

市場簿中に入っていたお菓子屋ガ好きで、
ガラスケースに入れられていた、
色とりどりのお菓子は、
金属の丸いスコップ状のような物で、
サクっとすくわれ計り売りされていた。
そのサクッという音と、紙袋に包まれる音。

繁栄を極めた銭函市場はもうないけど、
同級生の息子にそんな話をしたら、
とても喜んでいたのだった。

いつまでも思い出の中心にある市場なのだ。

撮影地:銭函2丁目
Copyright (C) Kazuo Yamamoto