根がかり、ブラー、ガヤ

暗くなって釣れたガヤ

翌日、午後遅くにまた同じ場所に行ってみた。

全然飛ばない投げ釣り(のつもり)をやってみたが全然釣れない。いろいろやっていたが、そのうち仕掛けが海底にひっかって取れなくなった。根がかりと言うそうだ。かなり粘ったが何をどうやっても取れない。仕方なく糸を直接腕に巻きつけて力いっぱい引っ張ると、急にふっと軽くなった。糸を巻き上げてみると仕掛けが丸ごとなくなっていた。

仕掛けを失ったことと、ゴミを海底に残してしまったことの両方がショックだった。気をつけないと海洋汚染に加担することになるぞと思った。

愚かなことに予備の仕掛けはない。このまま帰るのは悲しいので、別に買っていたブラーを試してみることにした。以前、ホームセンターの釣具コーナーをぶらぶらしているときに見つけて、シンプルで簡単そうだという、ただそれだけの理由で買ってみたものだった。釣りを続けるには、これを使うほかなかった。

ちょい投げセットの説明書を見て覚えたユニノットで道糸をそのままブラーに縛りつけ、針にイソメを付けて足元に下ろす。

・・・やっぱり釣れない。

辺りが暗くなり、エサを付け替えるのにも難儀するようになってきた。豆チカ3匹以来、何も釣れない日というのはなかったけれど、この「ビギナーズラック」も終わりかなぁ、と思ったそのとき、ぐぐんと竿先が動いた。また心臓がドキドキするのを感じた。

巻き上げてみると、真っ黒な魚が食いついていた。黒く見えるのは暗いせいかと思ったが、帰って明かりの下で見てもやっぱり黒い。16cmくらいのガヤだった。